願望・期待の発生法則|大人の恋愛用語事典

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【願望・期待の発生法則】
(がんぼう・きたいのはっせいほうそく)

大人の恋愛における「願望・期待の発生法則」とは、「自身の寂しさがパートナーの存在によって埋まらないと、そのパートナーに対し、寂しさを埋めるための願望や期待を抱いてしまう」という人間心理をいう。

この法則は、大人の男性・女性に共通のものであり、パートナーとしては、恋人(彼氏、彼女)、夫婦(夫、旦那、妻、嫁)のみならず、セフレや不倫、W不倫等の都合の良い関係にも適用される。

ex.彼氏からの連絡が少なく寂しい→彼氏が頻繁に連絡してくるように変わることを期待

ex.交際中の男性に本命の彼女がいるので寂しい→この男性が本命の彼女と別れて自分を本命の彼女にしてくれることを期待

ex.夫が家で話を聞いてくれないので寂しい→夫が話を聞いてくれるように変わることを期待

 

当て嵌まりやすい人と当て嵌まりにくい人

この法則は、「自分が不足だと思っている事柄を、自力で充足せずに、恋愛関係にある相手によって充足してもらう(=相手に依存する)」という他力本願的なスピリットに端を発する。

よって、もともと他力本願な性質を備える人(ex.恋愛関係において“お姫様”でいたい女性、母子的恋愛を好む男性)に当て嵌まりやすい。

一方、「自身の寂しさの解消を、異性に頼らず、異性との交際以外の方法(ex. 金欲、物欲、名誉欲、趣味等による自己実現欲の達成)で実行できる人」には、当て嵌まりにくい。

なお、「自身の寂しさの解消を異性に頼るかどうか?」については、同じ人であっても、その人がその時点で置かれている環境によって変わるものである。よって、この法則は、長い人生の中で、だれもが一度は経験するものであろうと推察される。

 

メカニズム

「願望・期待の発生法則」のメカニズムを、以下の図1を参照しつつ説明する。

この図1では、「孤独状態で寂しさマックス(100%)と思っていた人の感情が、異性との交際を開始した後にどう変わるか?」という例を用いて、大人の恋愛における「心的な願望・期待の発生法則」の具体的内容を表している。

大人の恋愛における「心的な願望・期待の発生法則」を示す説明図

図1に示す交際状態Aは、孤独状態で寂しさ100%と思っていた人の「寂しい」という感情が、異性との交際を開始した後に、この異性(交際相手)の存在によって完全になくなった状態を表している。

このような交際状態Aになることは、実際の大人の恋愛の場面においては、孤独による寂しさをさほど感じていない場合(ex.寂しさ50%未満)を除き、稀である。

なぜなら、たいていは、交際状態Bのように、交際相手による対応のハートフルさに物足りなさを感じ、寂しさが残り続けるものだからである。上記の図1では、交際開始によって、寂しさの40%は解消したものの、60%は埋まらずに残留している。

このように埋まらずに残っている「寂しい」という感情は、その矛先が交際相手に向かいやすい。

なぜなら、人は「寂しさが埋まらないのは、交際相手の対応が冷たいからであり、交際相手の責任である。自分は寂しいと思っているだけなので、何も悪くない。」のように、自己中心的な思考をしやすいものだからである。

これにより、図示するように、「寂しい」という感情は、「寂しさの解消のために、交際相手に○○して欲しい」という交際相手に対する願望・期待の思いに転化するのである。

なお、こうした願望・期待の思いは、交際相手に対してではなく、別の異性に対して向かうケースもある。このケースは、一般に「二股」や「浮気」と呼ばれている。

 

寂しさが埋まらなくなるほど、願望・期待の度合いは高まっていく

図1に示す交際状態Bの状態は、これ以降、どうなるのか?

交際相手が、願望や期待をされることについて「嬉しい」と感じた場合には、この願望・期待に応えるであろう。これにより、本人の「埋まらない寂しさ」の質量は小さくなっていく。

他方、交際相手が、願望や期待をされることについて「面倒くさい」と感じた場合には、この願望・期待に応えないだけでは済まず、願望や期待をされること自体に嫌気がさして、それまでにしてきたハートフルな対応についてもハートフルさが欠けるようになりやすい。これにより、本人の「埋まらない寂しさの質量」は、より大きくなっていく。

実際の大人の恋愛の場面では、後者のケースが圧倒的に多い。

なぜなら、現代社会に生きる人々の多くが、日々の生活において、自分のことで精一杯で気持ちに余裕が無く、他人から依存される器を持ちたくても持つことができないからである。

 

このように「埋まらない寂しさの質量」が増えていくと、交際相手に対する「してくれない感」が更に強まり、この結果、交際相手に向けて転化される願望・期待の度合いも高まる。

つまり、現代の大人の恋愛においては、「寂しいから、交際相手に○○して欲しい」という願望や期待は、交際相手に察知されるほど、逆効果(=寂しさが満たされず、却ってエスカレートしていく)となりやすい。このことを、「寂しさ解消要求の逆効果性」という。

従来の大人の恋愛のように、「寂しいから、交際相手に○○して欲しい」という願望や期待を素直に伝えたら、その想いを喜んで叶え続けてくれるような心に余裕のある交際相手は、現代の大人の恋愛市場にはなかなかいないのである。

 

交際相手への「願望・期待」は「恨み・復讐心」に一転し得る

なお、埋まらない寂しさを長期間抱え続けたような場合には、交際相手に対する思いが、それまでの「願望・期待」から「恨み・復讐心」に一転してしまうことがある。

このメカニズムについては、A教室の大人の恋愛用語事典における「恨み・復讐心の発生法則」を参照されたい。

 

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