母子的恋愛|大人の恋愛用語事典

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【母子的恋愛】
(ぼしてきれんあい)

「母子的恋愛」とは、母と息子のような精神的・経済的な従属・依存関係を前提としつつ、恋人と同様の肉体関係がある恋愛をいう。

母子的恋愛での男女関係は、「恋人として付き合っているのに、母と息子のように、彼女が一方的に世話をするばかりで、彼氏からはほとんど何も与えられない」というような逆援助交際的な関係となりやすい。

 

1.現代的意義

従来は、「セフレ(都合の良い関係)」と「恋愛」との中間的な位置づけであったが、現代においては、恋愛の一形態に含まれるものと解する。精神的・経済的な弱者である男性の割合の増加に伴って、男女間で恋愛と認め合える関係としてポピュラーなものになりつつあるからである。

なお、こうした母子的恋愛の増加に伴い、従来からの恋愛の一形態であった父子的恋愛(=父と娘のような恋愛。母子的恋愛の男女が逆転したパターン。)は、今日では減少傾向にある。

 

2.陥り易い人

 

(1)女性

恋愛相手となる男性に求める精神的な繋がりとして、「自分の価値観や内心に対する指図の禁止」と「自己承認欲求」を重視している女性。

例えば、「上から目線のオレ様男(=経験値の高さを根拠にして、彼氏の名のもとに、自己の価値観を女性に押し付け、自己の内心を常に汲み取るように命令し、女性の価値観や内心、態度、行動を自分色に染めようとする男性)を、彼氏としての絶対的NG条件として固持している女性」は、この要件に該当しやすい。

 

(2)男性

同年代同士の通常の恋愛において、カップルになれずにあぶれてしまった男性。20代から30代前半の男性が多い。

注)このことは「モテない男性」を意味するものではない。なぜなら、20代から30代前半における同年代同士の通常の恋愛では、女性の眼鏡(外見、人心把握力、提案行動力、収入、社会的地位など)に叶う男性が少なく、男性の眼鏡(外見、人間味、思いやりなど)に叶う女性も少ない。このため、「身近なリアルコミュニティで、男女が眼鏡(=条件)を外して慣れ親しめる環境のもの」に恵まれない限り、カップル成立は難しいからである。

 

なお、父子的恋愛は、ファザーコンプレックスの女性が陥りやすいのに対し、母子的恋愛の場合には、マザーコンプレックスの男性が陥りやすいという傾向は見られない。

 

3.実質的な関係

後述するように、母子的恋愛は通常の恋愛とは大きく相違している。このため、母子的恋愛は、当事者間ではお互いに恋人(彼氏、彼女)という位置づけとして認識しているものの、この当事者を第三者が通常の恋愛と比較しつつ客観的に見た場合には、次のような実質的な関係に見える。

■女性にとっての男性:「彼氏」ではなく、「従順なペット」

■男性にとっての女性:「彼女」ではなく、「セックス付の母親」

 

なお、これは、父子的恋愛の関係が、第三者から見て次のような位置づけに見えてしまうのと同じ原理である。

■男性にとっての女性:「彼女」ではなく、「従順なペット」

■女性にとっての男性:「彼氏」ではなく、「セックス付の父親」

 

4.通常の恋愛との相違点

母子的恋愛が通常の恋愛とは異なる点として、顕著に異なる4つの点について説明する。

図1に示すように、恋愛関係においてお互いに相手に捧げるものは、“心”と“体”の2つに大別される。この図1では、相手に捧げるものの総量を100%とした場合における実際に相手に捧げている量(以下、「実際量」という)を、次の通りに色分けして示している。

・青色…男性が 自分の“心” を女性に捧げている量

・赤色…男性が 自分の“体” を女性に捧げている量

・水色…女性が 自分の“心” を男性に捧げている量

・桃色…女性が 自分の“体” を男性に捧げている量

 

boshitekirenai-01

なお、この図1では、通常の恋愛、母子的恋愛のいずれにおいても、男女間において“心”と“体”を捧げるバランスが取れていて上手くいっている恋愛関係を表している。このため、 “心”と体”の実際量の総和(男性の場合には青色領域と赤色領域の合計、女性の場合には水色領域と桃色領域の合計)は、男女間で一致させている

 

(1)第1の相違点:心の関わりが浅い

図示するように、相手に捧げる“心”と“体”の実際量の総和は、通常の恋愛では100%(内訳は、“心”=50%、“体”=50%)であるのに対し、母子的恋愛では65%(内訳は、“心”=15%、“体”=50%)に止まっている。これは、母子的恋愛では、体の関わりについては、通常の恋愛と同程度にお互いに求めあうものの、心の関わりについては、通常の恋愛と比べて浅いものであることを意味している。

 

母子的恋愛において心の関わりが浅い理由

母子的恋愛において心の関わりが浅いのは、母子的恋愛を望む女性(以下、「母子女性」という)が、恋愛相手となる男性に求める精神的な繋がりとして、「自分の価値観や内心に対する指図の禁止」と「自己承認欲求」を重視していることが発端となっている。

即ち、母子女性は、「上から目線のオレ様男」を、彼氏としての絶対的NG条件とする傾向にある。このため、これとは真逆の、「女性の価値観や内心について、干渉や指図、押し付けをしない男性」を恋人として求めるのである。

また、母子女性には、「自分の話を聞いてほしい」、「自分の正しらしさや頑張りを認めて欲しい」等の今の自己についての承認欲求(「今、こうしてほしい!」、「今、こう言ってほしい!」)が非常に強く、否認や苦言はたとえ将来のためを思ったものであったとしても基本的に受け付けない(要するに、「私の話をちゃんと聞いて、賛同してくれれば、それでよし」)女性が多い。このため、相手の男性として「穏やかなイエスマン」を恋人として求める傾向にある。

このような「女性の価値観や内心について、干渉や指図、押し付けをしない、穏やかなイエスマン」の男性(以下、「イエスマン」と言う)との間では、将来の恋愛関係の発展に向けての心の切磋琢磨が起きないことから、何年付き合っても、心の相互理解が深まっていかず、心の関わりの程度は浅いままとなる。

 

(2)第2の相違点:男性(彼氏)側は、母子的恋愛を、通常の恋愛とは区別している

上述のイエスマンは、母子女性の同年代以上の男性の中では。極めて少ない。よって、母子女性にとっては、必然的に、かなり年の離れた年下男性がメインの恋人候補になりやすい。

ただ、母子女性からイエスマンだと思われて恋人候補に選ばれた男性は、たとえ年下であっても、そのほとんどが、本心では、母子的恋愛ではなく、通常の恋愛を望んでいる。

なぜなら、“イエスマン”は、ヤリ目の場合に女性がエッチに同意しやすくするための自分の仮の姿に過ぎず、通常の恋愛では真逆であるべき(=通常の恋愛で、彼氏が彼女のイエスマンであり続けるなんて、奴隷みたいであり得ない)と考えているからである。

しかし、実際には、母子女性から恋人候補に選ばれた男性の多くは、こうした本心を隠し、母子女性の恋人になることを拒絶せず、内心において通常の恋愛と区別した上で、母子的恋愛(イエスマンとして機能すること)を受け入れる。

このように母子女性の恋人になった男性(以下、「母子男性」という)が母子的恋愛を受け入れた理由としては、次のようなものがある。

●母子女性のような歳の離れた年上女性は、人間味や思いやりなどの求める内面要素については若い女性よりもはるかに上であり、しかも、外見についても若い女性と変わらぬクオリティの美魔女もたくさんいる。

●通常の恋愛のように共に切磋琢磨して関係を深めていかないのなら、母子女性の将来を真剣に考えて意見を言う必要もないので、イエスマンになっても構わない。

●イエスマンになりさえすれば、無料セックスができるので、彼女がいない状態よりもメリットがある。

●母子的恋愛(イエスマンとして機能すること)は、通常の恋愛をするまでのつなぎと考え、通常の恋愛をする彼女が見つかったり、イエスマンであることが嫌になってきたりしたら、関係を終了させればいい。

 

このように、母子的恋愛では、当事者間で「母子女性は通常の恋愛だと思っているが、母子男性は通常の恋愛だと思っていない」という認識のズレが生じることが多い。

このため、母子的恋愛の進行過程において、母子女性が「過去の恋愛のように、進展していかない」という悩みを抱きやすくなる。イエスマンを相手に指定している以上、進展しないのは必然なのだが・・・。

 

続く第3と第4の相違点については、以下の図2を参照しつつ、説明する。

boshitekirenai-02

 

図2の説明

恋愛関係においては、相手から“心”や“体”を捧げられた場合には、そのお返しとして、自分の時間、労務、財貨、場所等の自己資産を相手に提供する。図2は、こうした自己資産の提供の態様を前掲の図1に書き加えたものである。

図2では、母子的恋愛の場合に、図1にて母子女性が母子男性に“心”を15%しか捧げないことで残っていた35%の領域が、“世話”として緑色で塗りつぶされている。

これは、母子女性が、進行中の母子的恋愛について、「“心”の捧げ合いが少なく、真面目に深入りしない関係なので、通常の恋愛よりも物足りない」と感じ、この物足りなさを埋めるために、 “心”や“体”“に加えて、“世話” を母子男性に捧げ始めたことを表している。「この恋愛は、通常の恋愛とは、質は異なる(=心の関わりが浅い)けど、量としては同じくらいの繋がりを持っている」ということを一方的・自己満足的に認識したいからである。

なお、図2において、“世話”にカッコ書きとして“母性”と連記しているが、母子女性が専ら「この恋愛は、通常の恋愛と等価値だ」という自己満足感を満たすことを目的として“世話”をしている場合には、これは“自己都合“であり、“母性”とは言えない。

図2では、相手に提供する自己資産を、時間、労務、財貨、場所の4つとし、この4つを次の通りに色分けして示している。

・青色…女性が、男性から “心” を捧げられたお返しとして、男性に提供する自己資産

・水色…男性が、女性から “心” を捧げられたお返しとして、女性に提供する自己資産

・桃色…男性が、女性から “体” を捧げられたお返しとして、女性に提供する自己資産

・白色…女性が、「男性に  “心” を捧げない分、 “世話” を捧げよう」と発起し、男性から何も捧げられていないのに、自ら男性に進呈する自己資産

・緑色…女性から白色の自己資産の進呈を受けた男性が、女性からお返しを要求されていると感じ、やむを得ず、女性に提供する自己資産

 

(3)第3の相違点:ギブ&テイクをする基準が男女間でズレている

通常の恋愛では、図2のグラフに示したように、男女ともに、「相手が心を捧げてくれたから、そのお返しとして、自分の時間、労務、財貨、場所を相手に提供する」という心の関わり合いを基礎としたギブ&テイクの関係になっている。

これに対し、母子的恋愛の場合における「相手が心を捧げてくれたから、お返しされるもの」を図2のグラフで見ていくと、・・・

母子女性は、母子男性が心を捧げてくれたお返しとして、自身の時間を母子男性に提供するだけであり、自身の労務、財貨、場所のような財産的価値のあるものについては、図2に白色で示されているように、原則として、母子男性がもっと心を捧げてくれない限り、提供しない。このような「男性に対して簡単にギブしない」という対応は、通常の恋愛の場合と同じである。

他方、母子男性は、母子女性が心を捧げてくれたお返しとして、自身の時間、労務、財貨、場所のいずれも提供しない。これは、浅い心の関わりや母子女性の自己承認欲求を満たすためにイエスマンになっているだけでは、「母子女性が心を捧げてくれた(=母子女性は、精神的に不可欠な存在である)」とは感じにくいからである。

むしろ、母子男性にとっては、母子女性の存在意義は、「イエスマンになることとの引き換えに、セックスをさせてくれる女性」と考えた方が分り易い。よって、図2に示すように、母子男性は、母子女性が体を捧げてくれたお返しとして、表面的な言葉でイエスマンとして対応するための暇な時間と場所を提供するのである。その提供後に、母子女性が再び体を捧げてくれることを見越して。

また、母子男性は、自身の労務、財貨については、図2に緑色で示されているように、原則として、いくら母子女性が心や体を捧げてくれても、提供しない。なぜなら、母子男性は、「男性の価値観や内心の露出をセーブさせるような女性(=母子女性)は、通常の恋愛であれば恋人にしない。でも、通常の恋愛をするまでのつなぎなら、まあ、いっか。」という前提で母子女性との母子的恋愛を開始している。このため、母子女性は、母子男性にとっては、通常の恋愛での恋人にはなり得ない女性であり、恋人と同様の手間やお金をかけることを予定していないのである。もし、母子女性とセックスするために面倒くさい労務や金がかかるのなら、きっと「風俗に行った方がマシ」と考えるであろう。

 

(4)第4の相違点:女性が男性の世話をすることで、「この恋愛は、通常の恋愛と同じなんだ」と思い込む

図2の説明において既述したように、母子的恋愛の場合には、母子女性が、進行中の母子的恋愛における“心”の捧げ合いの少なさによる、通常の恋愛と比べた物足りなさを埋めるために、母子男性に対し、“心”や“体”“に加えて、“世話” を捧げ始める。

これにより、図2の「母子的恋愛の場合」の女性のグラフに示すように、相手に捧げるものの実際量の総和は、通常の恋愛と同様に100%になる。

母子女性は、母子男性から十分な質の“心”を捧げられていないのに、身銭を切って、母子男性に“世話” を捧げる。この“世話”として、母子女性は、自身の労務、財貨、場所のような財産的価値のあるものを提供する。労務の例としては、1人暮らしの母子男性の部屋に行って掃除や洗濯等、財貨の例としては、母子男性にまとまったお金を貸してあげる等、場所の例としては、母子女性の自宅を母子男性に使わせる等を考えることができる。

これらは、既述した通り、通常の恋愛の場合には、女性が、彼氏から心を完全に捧げられない限り、提供しないものである。このように、「母子女性が、母子男性のために、通常の恋愛ではしないような損を、損であると認識することなく自発的にしてしまう」という点は、母と息子の関係に酷似している。これが、母子的恋愛と言われる所以である。

しかし、母子男性は、母子女性にとって、実子ではなく、他人である。よって、一方的に身銭を切った対応をし続けていると、「二人の関係は、恋愛ではなく、逆援助交際ではないか?」との疑念が母子女性に生じてしまう。このような疑念を払拭するために、母子女性は、母子男性に対し、図2の「母子的恋愛の場合」の男性のグラフに示すように、「貴男も私のために労務と財貨を提供しなさい」という負担の提供を求めるのである。

よくある例として、「母子男性の誕生日にお祝いしてプレゼントをしてあげた母子女性が、自分の誕生日に母子男性からお祝いもプレゼントもされなかったので、母子男性にお祝いとプレゼントを要求する。」というものがある。

 

5.関係の継続性

母子的恋愛は、以下のいずれかの時に終了する。

(a)母子男性が、通常の恋愛ができる恋人を見つけた時

(b)母子女性の気力、体力、財力が尽きた時

 

実際には、交際開始から2年以内に(b)の理由で終了するケースが多い。

(b)で終了する場合、母子女性は、たいてい、「いくら身銭を切って世話をしても、母子男性は、十分な心を捧げてくれないし、労務や財貨も提供してくれない・・・」のように、母子男性の不誠実さや母子男性に対する不信で憔悴し切った状態になり、その後、「これまでに母子男性に対して使った心、体、時間、金は無意味だった」のように自己嫌悪モードに突入していく。

ただ、近年は、5年以上続いている母子的恋愛のカップルが増える傾向にある。長期に続く理由は、「彼氏がいる」という状態を重視した上での母子女性の妥協(恋愛関係のサイズダウン)である。妥協の実例としては、「ひとりは寂しい、誰かに構って欲しいから、別れたくない。別れるくらいなら、母子男性にしてもらいたいことのレベルを落としてでも、彼氏がいるという状態を継続したい。」というものがある。

 

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