5.W不倫類型(その2)-夢想モード(現実逃避セフレ型、リア充実現セフレ型)

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これまでの記事にて説明したように、ダブル不倫に臨む当事者の心理状態としては、次の3種類のモードがある。

■戦闘モード…ダブル不倫は「二人で歩む人生を獲得するまでの通過点」に過ぎない

■夢想モード…ダブル不倫は「現実を忘れるための心の通い合い」である

■現実モード…ダブル不倫は「現実を受け入れた上でのオプション的な体のお遊び」である

 

今回の記事では、2種類目の戦闘モードの当事者が所属し得る2種類のW不倫類型(現実逃避セフレ型、リア充実現セフレ型)について、以下に再掲した図1を参照しつつ解説していく。

夢想モードは、不倫相手に対して抱く精神的な恋愛感情が浅め(家庭を壊さない範囲)の考え方である。このの考え方は、2000年初頭から現在に至るまでに増加し続けてきており、今日のダブル不倫市場においては最もメジャーとなっている。

故に、この夢想モードの当事者が所属し得る2種類の類型(現実逃避セフレ型、リア充実現セフレ型)は、今日において、いわば「ダブル不倫の基本類型」となっており、特に既婚女性においては圧倒的に主流となりつつある。

大人の恋愛や恋活におけるダブル不倫(W不倫)の種類を表す説明図

 

現実逃避セフレ型(夢想モード)

現実逃避セフレ型は、次に紹介するリア充実現セフレ型と共に、既婚女性にとっての2大メジャー類型である。

ダブル不倫中の既婚者全体に占める現実逃避セフレ型の既婚者の存在割合の推定値(推定存在率 )は、既婚女性が40%程度、既婚男性が10%程度である。

 

キーワード

現実逃避セフレ型がダブル不倫に臨むキーワードは、

「配偶者に対して失せてしまった精神的な恋愛感情を、他の異性との間で、お互いに抱き合いたい」

である。

 

恋愛感情の質、家庭崩壊の覚悟

現実逃避型セフレ型の最大の特徴は、自身の抱いている精神的、肉体的な 恋愛感情の宛先が「配偶者は0%、不倫相手は100%」であるにもかかわらず、家庭崩壊の覚悟はなく、むしろ、配偶者と家庭を形成している現状について何らかの恩恵を感じていることである。

よって、既述した心の友型とは異なり、「配偶者に対する憎悪」や「配偶者による強制や拘束からの離脱意識」は弱く、むしろ、「配偶者も不倫相手も、両方とも失ったら困る」という意識が強い。

この意識は、独身同士の二股の場合に類似しており、配偶者に対して何らかの期待や依存をしているものと評価される。

このため、現実逃避型セフレ型の相互独占度は、1対2(本人VS不倫相手と配偶者)の男女関係において、1人の異性に対して理論的に抱くことができる最大値である50%から、配偶者への期待や依存分を控除した値となる。図1においては、この値を40%として例示している。

 

“恋人”と評価できない理由

現実逃避セフレ型は、上述した恋愛感情 の「配偶者:0、不倫相手;100」という配分に基づき、優しさやエッチは、不倫相手にのみ与え、配偶者には与えない。

このため、当事者は、自身の家庭を「セックスレスな仮面夫婦」と酷評した上で、不倫相手を「彼氏や彼女」と高評価しようとする。

故に、当事者の主観としては、図1における相互独占度が40%であるとの評価には不満であり、「80%以上はあるから、実質的には恋人関係だ」と思いたい気持ちになるであろう。

しかし、このような主観は、冷静に見れば、「セフレは嫌だ」とセフレ認定から免れるために、不倫相手との関係を「不倫相手は、体目的ではない。なぜなら、ちゃんと心もつながってるから。」のように自分に都合の良い妄想や評価をしているに過ぎない。

しかも、配偶者がいなくなることを想定せず、逆に「離婚されたら困る」と配偶者に何らかの依存をしているという平和ボケの二股状態で。。。

このような状態で、どのような妄想や評価をしても、客観的に見れば、少なくとも家庭崩壊の覚悟がない限り、1対1でリスクを負い合う“恋人”の領域には全く届かないのである。

 

浮気や他の異性への乗換の可能性

現実逃避セフレ型の場合、浮気や他の異性への乗換の可能性については、当事者は、恋愛感情100%であるがゆえに、「あり得ないもの」と思いたいであろう。

しかし、家庭崩壊の覚悟ができずに二股をかけている(=理由はどうあれ、1人だけに賭けることができない)という実態・実績がある以上、冷静には「十分にあり得るもの」と評価せざるを得ない。

 

お互いに離れている時の連絡

現実逃避セフレ型の場合、お互いに離れている時の連絡(メールや電話)については、「セフレではなく恋人である」ことの証と言えるような内容や回数を求める傾向がある。

よって、「エッチしたくなった時に、次回のエッチのアポイントの内容を連絡してくる」等のように、用のある時に用件だけを連絡するだけでは足りない。

「何があった?どう思った?」などの相手の日常の出来事や感情を共有して、恋人気分を味わいたいからである。

よって、連絡内容については、恋人気分を味わうためのママゴト的な浅い内容が中心となる。

また、相手の状況や心の変化を確認しようとする意識が強い反面、自分の微妙な心の変化を打ち明けることは少ない。醜い内心をさらけ出し合ってお互いの理解を深めていくようなプロセスは、ほぼ皆無である。

相手に対する気遣いも表現されるが、それは、相手に対する特別な内容ではなく、どの異性にも共通して使えるような差し障りのないテキトーな内容に過ぎないことが多い。

故に、相手への連絡のために1回につき用いる文字数や時間は、概ね120文字未満、15分未満に止まる。

なお、連絡回数の多少は、カップルの恋人気分の盛り上がり度によってばらつきがあるが、連絡が途絶えて音信不通になってしまうことを恐れて、相手に対し、少なくとも週1回以上の連絡を要求しがちである。

 

デート

現実逃避セフレ型の場合、デートは、「月に1~3回、所要時間:2~3時間、内容:セックス」がデフォルトとなる。月にMAX3回としているのは、現実逃避セフレ型の場合、既婚女性が生理の週のデートは、実行されずに中止となってしまう(=つまり「エッチしないなら会わない」という決定がなされる)ことが多いからである。

ただ、現実逃避セフレ型の場合、「自分はセフレではない」という思いが強いがために、デートの内容がエッチだけでは不満である。

このため、オプション的に、エッチへのつなぎのためのレジャー(ドライブ、食事、お茶、ショッピング等)に行くことを好み、相手に要求する。

但し、家庭崩壊の覚悟はできていないがため、このレジャーは、知り合いに絶対に目撃されないような場所でお忍び的に行われる。この点においても、独身同士の恋愛の「やましさの無いモラル」とは、相当にかけ離れている。

 

リア充実現セフレ型(夢想モード)

リア充実現セフレ型は、先に紹介した現実逃避セフレ型と共に、既婚女性にとっての2大メジャー類型である。

ダブル不倫中の既婚者全体に占めるリア充実現セフレ型の既婚者の存在割合の推定値(推定存在率 )は、既婚女性が40%程度、既婚男性が20%程度である。

 

キーワード

リア充実現型セフレ型のダブル不倫に臨むキーワードは、

「他の異性との間で、お互いの家庭生活のハリになるような心や体の関わりを持ちたい」

である。

 

恋愛感情の質、家庭崩壊の覚悟

リア充実現セフレ型には、現実逃避セフレ型ほどに「失われた 恋愛感情を取り戻そう」という必死感はない。

「配偶者との間で足りていないと感じている心や体の充実感を、他の異性で補えればOK」というライトな感覚である。よって、配偶者に対する恋愛感情はゼロではなく、家庭崩壊は全く想定していない。

むしろ、不倫相手との関わりを、趣味や友人との交流等と同列の「生活アイテムの1つ」として考えている。

 

浮気や他の異性への乗換の可能性

リア充実現セフレ型の場合、求めているのは「お互いの家庭生活のハリになる相手」であり、そのような相手は「地球上で今の不倫相手1人だけ」とは考えにくい。

また、不倫相手のことを、「独身同士の恋愛の場合の恋人」と同一とは思っておらず、「時の彼氏」、「時の彼女」のようなファジーな感覚で捉えている。

よって、浮気や他の異性への乗換の可能性は、あり得るものと感じている。

以上のことより、図1における相互独占度は、現実逃避セフレ型の半分の20%としている。

 

お互いに離れている時の連絡

上述したように、リア充実現セフレ型の場合、不倫相手は、「家庭生活にハリを出すための生活アイテムの1つ」に過ぎない。

よって、お互いに離れている時の連絡(メールや電話)は、週1回くらいはあるものの、その内容は、儀礼的・表面的な当たり障りのない淡白な内容となる。このため、相手への連絡のために1回につき用いる文字数や時間は、60文字未満、5分未満に止まる。

逆に、不倫相手から、連絡回数の増加や即返信を要求されたり、恋人気取りで「何があった?どう思った?」などの相手の日常の出来事や感情を根掘り葉掘り聞いて来られたり、心の内をさらけ出されたりすると、不倫相手に対する評価が「対応に疲れる生活アイテム」に変わってしまうため、関係を終了させたくなってしまう。

 

デート

リア充実現セフレ型の場合、デートは、「月に1回未満、所要時間:2~3時間、内容:セックス」がデフォルトとなる。

月に1回未満と少なめなのは、家庭を壊すような事態にならないよう冷静に自制をしているからである。

エッチへのつなぎのためのレジャー(ドライブ、食事、お茶、ショッピング等)については、あった方が良いとは思っているが、必須ではない。それよりも、知り合いに目撃されてしまうかもしれないことや、拘束時間が長くなって生活リズムが崩れてしまうことに、苦痛を感じる。

 

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