恋愛感情|大人の恋愛用語事典
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【恋愛感情】
(れんあいかんじょう)
恋愛感情とは、特定の異性に惹かれる思いをいう。
恋愛感情の発生要因と種類
恋愛感情を発生させるためには、特定の異性に対し、次の2つの欲求のうちの少なくとも一方を抱くことが必要となる。
●肉体的接触欲求(体に触れたい)
ex.手をつなぎたい、抱きしめたい、キスしたい、セックスしたい
●精神的接触欲求(心に触れたい)
ex.やさしくされたい、話を聞いて欲しい、慰めて欲しい、認めて欲しい
以下、肉体的接触欲求を備えた恋愛感情のことを、「肉体的な恋愛感情」といい、精神的接触欲求を備えた恋愛感情のことを、「精神的な恋愛感情」という。
肉体的な恋愛感情と精神的な恋愛感情との従属性
肉体的接触、精神的接触という2つの欲求は、一般的には、一方の欲求の発生に伴い、この欲求に従属して他方の欲求も発生するものである。よって、肉体的な恋愛感情と精神的な恋愛感情を抱くタイミングは、ほぼ同時期であるケースが多い。
肉体的接触欲求が先行して発生した場合においては、この欲求の実現に伴って精神的接触欲求が自然に芽生えてくるものである。
よって、精神的接触欲求がゼロのまま(即ち、肉体的な恋愛感情はあるが、精神的な恋愛感情は全くわかない)という現象は、専ら財産的利益を得る目的の男女関係(打算的な夫婦、風俗、援助交際等)である場合を除き、あまり見られない。
但し、結果として、芽生えた精神的接触欲求の量が少なかった(=内面的魅力の不足)ために、恋人関係にまで発展しないことは、よくあることである。
また、精神的接触欲求が先行して発生した場合においても、この欲求の実現に伴って肉体的接触欲求が自然に芽生えてくるものである。
よって、肉体的接触欲求がゼロのまま(即ち、精神的な恋愛感情はあるが、肉体的な恋愛感情は全くわかない)という現象は、大人の恋愛においては、精神的な疾病状態にある男女関係(うつ病、PTSD等)である場合を除き、あまり見られない。
但し、結果として、芽生えた肉体的接触欲求の量が少なかった(=外見的魅力の不足)ために、恋人関係にまで発展しないことは、よくあることである。
交際継続中の恋愛感情を構成する主要素
恋愛感情を発生させた2つの欲求(肉体的接触、精神的接触)の内容は、その発生時点ではフワッとした感覚的なもの(ex.やさしくされたい、エッチしたい)であったけれども、その後に男女の仲になり交際が継続されていくにつれて、自我の入った具体的なもの(ex.メールでもやさしくされたい、会う度にエッチは嫌)に変化していくものである。
では、発生時点の恋愛感情は、男女の仲になった後の交際の継続に伴って、どのような内容に変化するのか?
この具体的な内容については、カップルごとに千差万別であるが、当校での詳細な分析の結果、どのカップルにも共通する「交際継続中の男女の恋愛感情を構成する主要素」というものがあることがわかった。
この主要素は、図1に示す、「求め合う」、「想う」、「さらけ出す」という3つの意思である。
第1の主要素:求め合う
第1の主要素である「求め合う」は、交際相手の異性(以下、「交際異性」という)との間において「体のふれあい」、「心のふれあい」という2つの欲求を求め合う意欲を意味する。
動的な要素
求め合う意欲は、自分の心のうちから交際異性に向けて発せられるものであり、図1に示すような、交際異性に向かう動的なベクトルを備えている。
但し、「自分から発せられた意欲が、交際異性に到達したかどうか、交際異性が認識したかどうか」は問わない。よって、1人でいる時に、交際異性に対して、「会いたい」、「やさしくされたい」、「セックスしたい」という欲求を想像しただけであっても、求め合う意欲を抱いたものとして評価される。
“独占”と“不離”
「体のふれあい」、「心のふれあい」という欲求の内容は、既述した恋愛感情の発生時点における肉体的接触欲求(=体に触れたい)及び精神的接触欲求(=心に触れたい)の内容に、更に、次の“独占”と“不離”という2つの欲求の内容が中核として加わったものとなっている。
“独占”とは、「交際異性の心や体を、自分以外の同性に触れさせたくない」という欲求を意味する。交際継続に伴って“独占”の欲求が加わるのは、交際異性に惹かれる思いが強いほど、その交際異性に対し、「自分に惹かれて欲しい。自分以外の同性には惹かれて欲しくない。」という思いが強くなるものだからである。
“不離”とは、「交際異性の心や体は、かけがえのない(=他の異性では代わりがきかない)ものであるから、別れたくない、失いたくない。」という、不代替性の評価に基づく反射的な欲求を意味する。交際継続に伴って“不離”の欲求が加わるのは、交際異性に惹かれる思いが強くなるほど、交際異性以外の異性には惹かれないという確信が高まり、交際異性を失う怖さを強く感じるようになるからである。
なお、交際異性との間で求め合う欲求としての“独占”と“不離”との配分は、以下の図2に示すように、子供の恋愛の場合ほど“独占”の割合が高くなり、大人の恋愛度が増すにつれて“不離”の割合が高くなる。
「リターン獲得」、「リスク受忍」という相反する2つの意欲
「求め合う」とは、「自分も求め、交際異性からも求められる」という双方向的な概念である。よって、ある人が交際異性との間で「体の独占&不離」、「心の独占&不離」という2つの欲求を求め合う意欲は、次の「リターン獲得意欲」と「リスク受忍意欲」という、相反する2つの意欲から成り立っている。
■リターン獲得意欲
自分自身の欲求(体の独占&不離、心の独占&不離)を交際異性に表出して満たそうとする意欲
ex.自分が、交際異性に対し、「会いたい」、「やさしくされたい」、「セックスしたい」という欲求を抱き、この欲求を実現して、楽しい時間、思いやり、快楽等の利益(=リターン)を得たい
■リスク受忍意欲
交際異性の欲求(体の独占&不離、心の独占&不離)を受け止めようとする意欲
ex.交際異性からの「会ってほしい」、「やさしくしてほしい」、「セックスしてほしい」という欲求について、自分が「受け止めたい、叶えたい、そのために他の事柄(仕事、友人、家族)について犠牲(=リスク)が生じても構わない」という思いを抱き、この思いを喜んで実行すること
なお、ある人の意欲のうちのリターン獲得意欲とリスク受忍意欲との配分は、以下の図3に示すように、子供の恋愛の場合ほど、リスク受忍意欲が希薄なためにリターン獲得意欲の割合が高くなり、大人の恋愛度が増すにつれて、リスク受忍意欲が高まり、リスク受忍意欲の割合が高くなる。
まとめ
◆「求め合う」という意欲は、交際継続中の男女の恋愛感情を構成する主要素の1つである。従って、交際異性に対し、「求め合う」という意欲が強いほど、恋愛感情の大きさも大きくなる。
◆「求め合う」という意欲は、次の8種類の意欲から構成されている。
<リターン獲得意欲>
【1】体の“独占”…交際異性の体を、自分以外の同性に触れさせたくない
【2】体の“不離” …交際異性の体は、かけがえのない(=他の異性では代わりがきかない)ものであるから、別れたくない、失いたくない。
【3】心の“独占”…交際異性の心を、自分以外の同性に触れさせたくない
【4】心の“不離”…交際異性の心は、かけがえのない(=他の異性では代わりがきかない)ものであるから、別れたくない、失いたくない。
<リスク受忍意欲>
【5】体の“独占”…交際異性の「あなたの体を、私以外の同性に触れさせたくない」という欲求を受け止めたい。
【6】体の“不離” …交際異性の「あなたの体は、かけがえのない(=他の異性では代わりがきかない)ものであるから、別れたくない、失いたくない」という欲求を受け止めたい。
【7】心の“独占”…交際異性の「あなたの心を、私以外の同性に触れさせたくない」という欲求を受け止めたい。
【8】心の“不離”…交際異性の「あなたの心は、かけがえのない(=他の異性では代わりがきかない)ものであるから、別れたくない、失いたくない」という欲求を受け止めたい。
第2の主要素:想う
第2の主要素である「想う」は、交際異性と離れている時に、無意識に心や体で交際異性の存在をバーチャルに感じ、交際異性の気持ちになって交際異性のことを想うことを意味する。
ex. 彼氏、今頃は、仕事してるんだろうな。頑張ってね!
ex. 彼女、今頃は、家族と団欒してるんだろうな。楽しんでね!
ex. 彼氏、まだ風邪の熱で苦しんでるのかな。辛いだろうに。
ex. 彼女、まだ友達のことで悩んでいるのかな。悩み過ぎてないか心配。
静的な要素
「想う」は、自分の心のうちの想像で完結する行為であり、交際異性に向けて発せられるものではない。いわば、求め合う欲求が無い時間帯での心理状態であり、第1の主要素である「求め合う」とは真逆の静的な要素である。
また、第1の主要素である「求め合う」のところで既述したように、1人でいる時に、交際異性に対して、「会いたい」、「やさしくされたい」、「セックスしたい」という欲求を想像したような場合には、「想う」には該当せず、「求め合う」として評価される。
「想う」ことをしているかどうかの自覚は難しい
「想う」という行為は、無意識のものであるため、その行為をしているのかどうかの自覚を持ちにくく、その行為をしていたとしても記憶にも残りにくいものである。よって、「交際異性のことを想うことをどのくらいの時間しているのか?」ということについては、自覚することが難しい。
そのような場合には、「交際異性が突然いなくなったと仮定した時に、自身の気持ちや行動が、どの程度、マイナスにブレるか?」ということを想像してみるとよい。マイナスのブレが大きいほど、・・・交際異性の存在価値が大きく、交際異性の存在を当たり前だと思って当てにしている・・・このことは、無意識のうちに交際相手を想っていることを意味するからである。
まとめ
◆「想う」は、交際継続中の男女の恋愛感情を構成する主要素の1つである。従って、交際異性に対し、「想う」ことをしている延べ時間が長いほど、恋愛感情の大きさも大きくなる。
第3の主要素:さらけ出す
第3の主要素である「さらけ出す」は、自身の価値観や内心を交際異性にさらけ出す意欲を意味する。
心のふれあいの範囲
さらけ出す意欲の強弱は、「自身の心全体のうち、交際異性とふれ合うことを予定している範囲」の広さによって定まる。
この範囲は、図1に示すように、最も狭い「範囲無し(0度)」から最も広い「全範囲(360度)」までの幅がある。この範囲が大きいほど、交際異性との重い交際を予定することができており、必然的に交際異性に対する内心関わり度も高くなる。
この範囲の大きさを想定しにくい場合には、あなたが図1のように透明な円柱形の筒に入っている状態で、交際異性がいきなりあなたの背後からあなたのことを見てきた時に、あなたがどの程度の違和感や嫌悪感を抱くかを想像してみるとよい。抱いた違和感や嫌悪感の度合いが高いほど、交際異性について予定している心のふれあいの範囲が狭く、さらけ出す意欲が弱くなるものと推定される。
交際の形による傾向
●心のふれあいの範囲は、一般的には、独身同士の恋愛の場合が最も広くなる。但し、結婚目的の場合には、自分に不利な評価を隠す心理が働きやすいため、狭くなりがちである。
●独身同士の恋愛において、本命の恋人と第2の恋人(=セフレ)の二人ともと長く交際している場合には、心のふれあいの範囲は、本命の恋人よりも第2の恋人(=セフレ)の方が広くなる傾向がある。
●心のふれあいの範囲が最も狭い交際形式は、ダブル不倫である。なぜなら、範囲を広くしてしまうと、本気モードに変わり易くなり、家庭崩壊を促進する危険があるため、この危険を防止すべく、ふれあう範囲を極力狭くしようとする意識が働くからである。但し、ダブル不倫であっても、お互いに離婚して独身同士の恋愛への進展を確実に予定している場合は、心の触れ合いの範囲は、独身同士の恋愛の場合と同様に大きくなる。
●夫婦間の恋愛においては、日々の生活を重ねるほどに、自身の価値観や内心が配偶者にさらけ出される。しかし、このプロセスは、たいていの場合、自身の価値観や内心を配偶者にさらけ出す意欲(=心の深くまで関わっていきたいという気持ち)をもってなされたものでなく、その意欲が無いのに自身の価値観や内心を配偶者に悟られ暴かれたことに因るものである。このようなケースにおいては、第3の主要素である「さらけ出す」は、全く備えていない(0点)ことになる。
まとめ
◆「さらけ出す」は、交際継続中の男女の恋愛感情を構成する主要素の1つである。従って、交際異性に対し、「さらけ出す」という意欲が強い(予定している心のふれあいの範囲が広い)ほど、恋愛感情の大きさも大きくなる。
交際相手との間における恋愛感情の大きさを測定する方法
図4は恋愛感情の構造を三次元グラフで表したものである。
このグラフの三軸には、それぞれ、交際継続中の男女の恋愛感情を構成する3つの主要素(求め合う、想う、さらけ出す)が割り当てられている。
図4では、3つの各主要素の任意の値を、ピンク色の一点鎖線で結んでいる。これによって三軸と共に形成される三角錐部分の体積が「恋愛感情の大きさ」を表すことになる。
恋愛感情レベル診断
上述した恋愛感情の構成要素は、どの恋愛形式(独身同士、結婚目的、夫婦、不倫、ダブル不倫など)にも共通するものである。こうした知見に基づき、当校では、相手に対する自分の恋愛感情の大きさをチェックするツールとして「恋愛感情レベル診断」を創作した。現時点では、恋愛感情の構成要素をざっくりと捉えた簡易的なものであるが、今後、精密化のための改良を重ねていきたい。
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タグ:不倫の恋愛感情(相手の気持ち), 大人の恋愛, 子供の恋愛, 恋愛感情(ときめき)