4.W不倫類型(その1)-戦闘モード(内縁型、恋人型、心の友型)
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前回の記事にて説明したように、ダブル不倫に臨む当事者の心理状態としては、次の3種類のモードがある。
■戦闘モード…ダブル不倫は「二人で歩む人生を獲得するまでの通過点」に過ぎない
■夢想モード…ダブル不倫は「現実を忘れるための心の通い合い」である
■現実モード…ダブル不倫は「現実を受け入れた上でのオプション的な体のお遊び」である
今回の記事では、1種類目の戦闘モードの当事者が所属し得る3種類のW不倫類型(内縁型、恋人型、心の友型)について、以下に再掲した図1を参照しつつ解説していく。
戦闘モードは、自身の家庭を「二人の将来の妨げとなる敵」とみなして、お互いに精神的な恋愛感情を深く抱き合うダブル不倫の考え方であり、昭和の時代から変わらずに存在している。しかし、今日のダブル不倫市場においては、ハードルやリスクが高いために、最もマイナーな考え方となっている。
故に、この戦闘モードに属する3つの類型(内縁型、恋人型、心の友型)は、今日においては、恋愛意識の相当に高い既婚者のみが取り得る稀少類型となっている。
以下、各類型について、お互いに抱き合う恋愛感情の深い順に解説していく。
内縁型(戦闘モード)
ダブル不倫中の既婚者全体に占める内縁型の既婚者の存在割合の推定値(推定存在率 )は、男女ともに3%程度である。
恋愛感情の質、浮気や他の異性への乗換の可能性
内縁型は、ダブル不倫の関係であっても、
お互いに、何の約束や拘束をし合わなくても、精神的にも肉体的にも「愛する人は、生涯、あなただけ」のような深い恋愛感情を抱き合う(相互独占度:100%)
ということを前提としている。
よって、浮気や他の異性への乗換の可能性は、お互いにあり得ないものと感じている。
家庭崩壊の覚悟
内縁型のカップルは、お互いに、家庭崩壊の覚悟を持ち、それぞれの家にはほとんど帰らず、ほぼ同棲状態となっている。
但し、カップルのどちらかが単身赴任の場合には、同棲状態となっていても、内縁には該当しない。単身赴任の場合には、単身赴任している側が、“現地妻”や“現地夫”の如く、その土地限りでの同棲(=他の土地に連れてってまで同棲することはあり得ない)と考えがちであり、家庭崩壊の覚悟まではしていないことが多いからである。
恋人型の発展形
内縁型は、次に説明する恋人型の発展形である。よって、恋人型における同居以外の要素を全て備えている。詳しくは、恋人型における説明を参照されたい。
恋人型(戦闘モード)
ダブル不倫中の既婚者全体に占める恋人型の既婚者の存在割合の推定値(推定存在率 )は、男女ともに5%程度である。
恋愛感情の質、家庭崩壊の覚悟、浮気や他の異性への乗換の可能性
恋人型は、内縁型と同様に、ダブル不倫の関係であっても、
お互いに抱いている恋愛感情の質は、家庭崩壊の覚悟を持ちつつ、精神的にも肉体的にも「愛する人は、生涯、あなただけ」のような深い恋愛感情で結ばれている
ということを前提としている。
よって、浮気や他の異性への乗換の可能性は、お互いにあり得ないものと感じている。
内縁型との相違点
内縁型と異なる点は、同居まではしておらず、お互いに、家庭の義務を果たすためにそれぞれの家に帰っている点である。故に、図1における相互独占度は、この分だけ低い80%となっている。
お互いに離れている時の連絡
恋人型の場合、お互いに離れている時の連絡(メールや電話)については、その内容に「自分の心の変化を打ち明け、相手の特別な心を特別に包む表現」が含まれていることに特徴がある。時には、醜い内心をさらけ出し合ってお互いの理解を深めていくようなプロセスも存在する。
このため、相手への連絡のために、1回につき120文字以上の文字数を用いて15分以上の時間をかけている。
なお、連絡回数の多少は、カップルの成熟度によってばらつきがあるが、必ず週1回以上はある。
デート
恋人型の場合、デートの行き先は、ドライブ、食事、お茶、ショッピング、散策等のレジャー、ホテルでのセックスを含め、独身同士の恋人とほぼ同様のバリエーションがある。
最大の特徴は、
●「他人に見られないように行き先を遠方にする」などのお忍び的な配慮を過度にしないこと
●泊まりを含めた長時間のデートが、ストレスなく、できること
●堂々と手つなぎデートができること
であり、これらの点でも、独身同士の恋人のデートとほぼ同様である。
これらは、家庭崩壊の覚悟を持って付き合っているがゆえに成せる行動である。
なお、デートの回数の多少は、カップルの仕事や家庭の忙しさによってばらつきがあるが、必ず週1回以上はある。
心の友型(戦闘モード)
ダブル不倫中の既婚者全体に占める心の友型の既婚者の存在割合の推定値(推定存在率 )は、男女ともに2%程度である。
恋愛感情の質
心の友型は、お互いに、精神的に依存して心の傷をなめ合うことで、「あなたが心の支えになってくれているから、今の家庭生活が続けられる。」と思い合う関係である。
それ故に、お互いに抱いている精神的な恋愛感情は、恋人型に次いで深い。また、後述するように、家庭崩壊の覚悟まではできていないものの、「配偶者に対する憎悪」や「配偶者による強制や拘束からの離脱意識」が強い。
このため、心の相互独占度は、1対2(本人VS不倫相手と配偶者)の男女関係での理論上のMAX値である50%となっている。
肉体関係があまり無い
心の友型が他の類型と顕著に異なるのは、「肉体関係があまり無く希薄である」という点である(相互独占度 心:10%)。
心の友型は、安易な「現実逃避」とは真逆の姿勢であり、「常に現実と向き合い、二人で助け合って戦っている」という戦友意識が先行する。このため、心がリラックスする時間が持ちにくい(=心の余裕が無さ過ぎて、性欲が湧きにくい)のである。
家庭崩壊の覚悟、浮気や他の異性への乗換の可能性
こうした肉体的な繋がりの希薄さのため、心の友型は、家庭崩壊の覚悟まではできていない。
よって、浮気や他の異性への乗換の可能性は、心の浮気や乗換はお互いにあり得ないものと感じているが、体の浮気や乗換はお互いにあり得るものと感じている。
お互いに離れている時の連絡、デート
心の友型の場合、お互いに離れている時の連絡(メールや電話)もデートも、「不定期で、いつあるのかが予定できない」という特徴がある。
お互いにとって、家庭は、心の不安定を引き起こす逃げることのできない戦場であり、「いつ落ち着くのか、又は、いつ心の不安定が受忍限度に達するのか?」が予測できないからである。
メールや電話は、上述した恋人型の場合と同様に、時間をかけた濃い内容ではあるが、何しろ自分自身に余裕がないため「心の不安とその解消」が主題となる。
デートは、近場での数時間以内のレジャー(ドライブ、食事、お茶、ショッピング等)が主となり、その流れでのセックスは、必須ではなく、付録的・気分的なものとなる。
家庭に知られたくないのにデートを近場でしてしまうのは、肉体関係が希薄なため、当事者は、不倫の罪悪感が薄く、「お忍びでなきゃ会えない」という密会必須の感覚を持っていないからである。
心の友型は長続きしにくい類型
心の友型は、一般的に、関係が長続きしにくく、長くても1年以内に終了してしまう場合が多い。
但し、終了後、しばらくしてから、後の記事で解説する類型である「コンビニエンスヤリ友型」の関係に変わることが稀にある。
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