振られ豹変|大人の恋愛用語事典
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【振られ豹変】
(ふられひょうへん)
振られ豹変(ふられひょうへん)とは、精神的な恋愛感情に基づくパートナー関係において、一方が、意に反した別れ話を他方から切り出された後に、他方に対する態度を、それまでの恋愛感情に基づくハートフルな態度から一転して攻撃的な態度に変えることをいう。
以下の説明においては、別れ話を切り出された一方のことを「振られた側」又は「捨てられた側」と言い、別れ話を切り出した他方のことを「振った側」又は「捨てた側」と言う。
上述の定義に記載の通り、「振られ豹変」は、“振られた側”に現実に生じた態度の変化である。よって、“振った側”が主観的に「振られた側の態度が、それまでとは一転して攻撃的な態度に変わった」と感じているだけでは足りない。
振られた側の「攻撃的な態度」には、外部に表現されるものだけでなく、内心で思うものも含まれる。こうした「攻撃的な態度」の代表例としては、次に列挙したようなものを考えることができる
●振った側のことを内心でうじうじと恨み続ける
●振った側への嫌味や嫌がらせ
●振った側の気持ちを無視した別れの断固拒絶
●振った側への責任追及
●振った側への損害賠償請求
「振られた側が振った側に精神的な恋愛感情を抱いている関係」に特有の現象
「振られ豹変」という現象は、精神的な恋愛感情に基づくパートナー関係、より詳しくは「少なくとも振られた側が振った側に精神的な恋愛感情を抱いている関係」において生じる。振られた側の振った側に対する精神的な恋愛感情が突然に冷酷な負の感情に反転することが、まさに「豹変」の本質だからである。
このような関係であれば、夫婦や恋人、都合の良い関係、不倫、ダブル不倫など、恋愛形式を問わない。よって、彼氏、彼女、夫(旦那)、妻(嫁)、セフレ、不倫相手、W不倫相手・・・これらのすべてが「振られた側」又は「捨てられた側」となり得る。
よくある勘違い
近年の大人の恋愛の場面では、振った側が、自身の過去の恋愛について、相手を振った時の相手の豹変ぶりを根拠にして「自分は振られた側から愛されていた」と自己評価しているようなケースが散見される。
こうしたケースを詳細に考察してみると、そのうちの多くは、客観的には「全く愛されていなかった」という真逆の評価になりがちである。
こうした自画自賛的・自己擁護的な自分に都合の良い自己評価を固持する人ほど、往々にして、その後においても、客観的に見て「愛されていない恋愛」が「出会った→付き合った→振った」というパターンで、何度も繰り返されやすいものである。
このように、大人の恋愛の場面において、相手の「豹変」は、愛されていないのに愛されていると勘違いするもととなりがちなので、その意味内容を以下の(1)~(3)にて詳しめに解説していく。
(1)振られた側が金・体目的であった場合には、振られた側に「豹変」は起きない
形式的には「夫婦」や「恋人」のようなまともな呼び名の関係であっても、実質的には次のa)やb)のような「振られた側の振った側に対する精神的な恋愛感情が希薄なパートナー関係」である場合には、「振られた側が豹変する」という現象は起こり得ない。このパートナー関係の場合には、振られた側に、反転の前提となる感情(=精神的な恋愛感情)がほぼ存在しないからである。
a)お互いに、経済的利益や肉体的利益の獲得を目的(以下、「金・体目的」という)としたパートナー関係
ex.愛人契約
ex.性欲解消のためのセックスフレンド
ex.生活のために夫婦を継続する仮面夫婦
b)振った側は振られた側に精神的な恋愛感情を抱いていたが、振られた側は当初から金・体目的であるパートナー関係
ex.振られた側が財産目的で結婚している夫婦
ex.振られた側が生活のために割り切って同居を継続している夫婦
ex.振られた側が、振った側からお金やセックス等の見返りを得るために、振った側に恋愛気分を味わせる偽装的恋愛や継続型援助交際
特に、上述のb)のケースは、当校に持ち込まれる恋愛相談事案の中にも多く見受けられ、その典型例が次の2つである。
●振った側の男性は「振られた側の女性が金目的で付き合っていたこと」を知らない。
●振った側の女性は「振られた側の男性がセックス目的で付き合っていたこと」を知らない。
(2)振られた側が金・体目的であった場合には、別れの拒否や慰謝料請求は、普通のこと
なお、上記a)やb)のような「振られた側の振った側に対する精神的な恋愛感情が希薄なパートナー関係」においても、別れに伴って、振られた側が、その後の生活資金や性欲処理の確保のために、振った側に対し、涼しい顔で、別れることを拒否したり、手切れ金や慰謝料の支払いを請求したりする場合がある。
このような振られた側の拒否・請求行動は、振った側には「攻撃的な態度に変わった」と豹変したように思えてしまうのだが・・・実際には、振られた側は、豹変など全くしていない。
既述したように、振られた側が、もともと金・体目的である場合には、精神的な恋愛感情が希薄なので、振った側から別れを告げられても「恋愛感情から負の感情への反転」という現象は起こり得ないからである。
即ち、振られた側にとって、これらの拒否・請求行動は、「振った側からパートナー関係を意に反して解消されたことにより、当初の予定であるパートナー関係の目的(金・体目的)を達成できなくなってしまうので、振った側に対し、目的の維持や損失補てんを要求する」という、金・体目的であれば自然かつ当然の態度に過ぎない。
むしろ、振られた側は、振った側に対し、「最初からずっと金・体目的である」という気持ちが変わっていない(=交際によって精神的な恋愛感情はほとんど芽生えていない)からこそ、涼しい顔で、別れの拒否や慰謝料の請求をすることができるのである。
要するに、振った側が、別れ話を切り出した後に、振られた側の態度が豹変したように見えるのは、
「振られた側が金・体目的で交際を継続していたとは思っていないし、振られた側の真意や内心が金・体目的であったとは思いたくない」
という希望的な主観や思い込みによって生じる錯覚に過ぎないのである。
(3)振られた側が振った側に精神的な恋愛感情を抱いている場合に「豹変」は必ず起きるのか?
以上説明した通り、パートナー関係において、「振られ豹変」という現象が生じるためには、振られた側が振った側に精神的な恋愛感情を抱いていることが必要となる。
しかし、その逆は真ではなく、振られた側が振った側に精神的な恋愛感情を抱いていても、振られた側が必ず豹変するわけではない。
では、どのような場合に「振られ豹変」という現象が生じるのか?
こうした「振られ豹変」のメカニズムについて、詳細を説明する前に、まずは、重要なポイントを列挙してみる。
「振られ豹変」は、既述した通り、別れを切り出されたことをきっかけに、それまでの恋愛感情が冷酷な負の感情に反転するものである。
このことから、
振られた側が、振った側に抱いている恋愛感情が大きいほど、または、振った側に抱いている負の感情の大きさ(ex.騙された程度)が大きいほど、感情の反転(豹変)が生じ易いのでは…
のようにも思える。
しかし、実際には、「振られ豹変」は、「振った側が誰であるか?」によって起きたり起きなかったりするものではなく、振った側が誰であっても、起きる人には起き、起きない人は起きないものである。
つまり、「振られ豹変」が生じるか否かは、振られた人がそれまでの人生において後発的に形成してきた対人思考特性によって定まるのである。
もちろん、ある人に「振られ豹変」が生じたとした場合に、その豹変の程度については、「相手(振った側)が誰であるか?(=振った側に抱いている恋愛感情や負の感情の大きさ)」によって変動し得る。
以上が、「振られ豹変」の大まかなメカニズムである。
以下、このような「振られ豹変」を生じさせる具体的な要件について解説していく。
発生要因
「振られ豹変」という現象が生じるのは、振った側からの別れ話の切り出しによって、振られた側に「相手(=振った側)によってプライド(=自尊心)を傷つけられた」という内心が形成されことによる。
逆に言えば、相手(=振った側)から別れを告げられた後に、振られた側がこのような内心を持たなかった場合には、その別れ話がいくら急激又は一方的であっても、「振られ豹変」という現象は生じない。
このような内心を持つか否かは、既述したように、その人の対人思考特性によって定まる。このような内心が形成されやすい対人思考特性のことを、この記事では、「豹変ポテンシャル」という。
なお、当校では、この豹変ポテンシャルを測定するための診断ツールとして、「別れ話をされた後の豹変レベル診断」を用意している。
豹変の程度及び期間
振られた側において、上述した「相手(=振った側)によってプライドを傷つけられた」という内心は、別れ話をされた後、時間の経過につれて、「振った側への恨みR」に進化する場合がある。
振られた側の豹変の程度や期間は、振られた側の持つ恨みRの大きさによって定まる。即ち、恨みRの大きさが大きいほど、豹変の程度が甚だしく、豹変の期間も長くなる。
振られた側の持つ恨みRの値の大きさは、次の式によって算出することができる。
R=(Kp/Fp)×T+L+(T/Kn)
【Kp】振られた側が振った側に過去に抱いていた恋愛感情レベル
【Fp】振られた側が振られた時点で推測している「振った側が過去に自分に抱いていた恋愛感情レベル」
【T】交際期間
【L】振られた側の精神的損失(=振られた側が振った側から得た精神的利益-振られた側が振った側に与えた精神的利益)
【Kn】振られた側が振った側に現在抱いている恋愛感情レベル
なお、上式の「恋愛感情レベル」の求め方については、当校の大人の恋愛用語事典に掲載した「恋愛感情」の意味、当校の診断ツール「恋愛感情レベル診断」を参照されたい。
上式において、恨みRの値の大きさは、 (Kp/Fp)×T (=「思い通りに愛されていなかった」という気持ちの総量)の部分の値に最も左右される。
よって、次のようなケース1又はケース2において相手から振られた場合、振られた側は、(Kp/Fp)×T の部分の値が大きくなるため、振られた後における豹変の程度が甚だしくなり豹変の期間も長くなる。
<ケース1>
「相手から愛されていない」ということを察知しながらも、「思い通りに愛されるようになりたい」という希望を持って、相手のことを愛し続けてしまった場合
∵(Kp/Fp)の値が大きくなるため
<ケース2>
「自分が相手のことを愛している度合いよりも、相手が自分のことを愛している度合いの方が大きい」と思い込んで長期間付き合ってきたけれども、「この思い込みは真逆であった」と認識した場合
∵(Kp/Fp)×Tの値が大きくなるため
また、上式において、振られた側の精神的損失Lは、簡単に言えば「心のギブ&テイク」の差分であり、その値は、例えば「優しさや誠実さ等が奪われる一方で何も与えられない。浮気や暴力、暴言等によって心が傷つけられる。」ほどに大きくなる。
但し、精神的損失Lの大きさは、振られた側の気分や状況によって評価値が変わり易いものである。従って、この値は、振られた後における瞬間的な豹変の程度を左右するものの、長期間の豹変を引き起こす要因とはなりにくい。
なお、上式において、振られた側が振った側に現在抱いている恋愛感情レベルKnは、相手(振った側)から別れを切り出されたことをきっかけに、瞬間的にMAX値になることがある。
例えば、相手(振った側)を失うかもしれないことが現実になった途端に、なぜか相手に希少価値を見出し(ex.「相手の外見レベルを超えるようなパートナーは、もう見つからない」)、相手を失うことに悲観的になり、相手を失うことを恐れるようになった場合である。
よって、次のようなケース3において相手から振られた場合、振られた側は、上式におけるKnの値が大きくなるため、振られた直後における豹変の程度が、尋常を超え、相手や相手の新恋人に対する報復行為にまで至る場合がある。但し、こうした豹変の期間は、既述したケース1や2のような(Kp/Fp)×Tの値が大きい場合でない限り、短く、一時的な豹変におさまる。
<ケース3>
「外見のバランス」や「内面のバランス」が合っていないけれども交際してきたパートナー関係において、振った側、振られた側のそれぞれについて、一般的に異性から見た時の現時点における外見・内面の評価が、次のいずれかの組み合わせである場合
■振った側:外見◎、振られた側:外見×
■振った側:内面◎、振られた側:内面×
振られた側の豹変を防止するために、交際期間中において、振る側が留意すべき事項
振った側にとっては、相手(振られた側)の豹変の程度が甚だしく豹変の期間も長くなると、相手と交際していた事実自体を後悔したり、否定したり、「人生の汚点」と評価したりしてしまうという事態にもなりかねない。
このような事態を防止するためには、夫婦や恋人、セフレ等のどのパートナー関係においても、以下のような付き合い方を心がけることが有効である。
(1)交際期間Tを短くする。
∵上式におけるTの値が小さくなる。
(2)外見のバランス、内面のバランスについて、両方とも合っている異性と交際し、交際後においてもお互いに保ち続ける。
∵上式における(T/Kn)の値が小さくなる。
(3)心のギブ&テイクに関し、ギブが過度に多くなり続けるような相手とは付き合わないようにするか、ギブが過度に多くなり続けてきた時点でお別れする。
∵上式におけるLの値が小さくなる。
(4)相手が愛してくれる以上に、相手のことを愛する。このように愛することができない相手なら、それ以上、付き合わない。
∵上式における(Kp/Fp)×Tの値が小さくなる。
(5)「自分がいなくなるかもしれない」ということを相手に予測させる機会を設ける。
∵上式における(Kp/Fp)の値が小さくなる。
現実的には、
●夫婦関係や結婚前提の恋人関係においては、(2)、(3)、(4)、(5)
●結婚を想定していない男女関係においては、(1)、(3)、(4)
の付き合い方を心がければ、「振られた側の豹変によって、良き思い出が壊されてしまう」ということも避けられるであろう。
<付録>別れ話をされた後の豹変レベル診断
上述したように、振られた側による「振られ豹変」の程度や期間は、「交際相手の選定や交際相手との付き合い方」によって変わるものであり、上記(1)~(5)のような選定や付き合い方をすれば、「振られ豹変」という事態は生じません。
しかし、近年の大人の恋愛市場でのパートナー関係においては、夫婦、恋人、セフレ、不倫、ダブル不倫という形式を問わず、「振られ豹変」という事態が増加傾向にあり、「別れた後に振った相手を恨むことは当たり前」という価値観が形成されつつあります。
当校では、このような価値観を持つ者の実態や行動心理を分析した結果、
●振られた時に自身が豹変するなどとは夢にも思っていないのだけれども、
●自ら率先して、振られた時に自身が豹変してしまうような異性を交際相手に選び、
●振られた時に自身が豹変してしまうような付き合い方を、無意識的に、相手にさせてしまっている
という、一種のクセを等しく持っていることがわかりました。
更に、当校では、こうしたクセの発生源を解析して「別れを切り出された時に豹変する人」が持っている後天的な因子のパターンを客観的な方程式に落とし込み、この方程式に基づいて、診断ツール「別れ話をされた後の豹変レベル診断」を作成することに成功しました。
この「別れ話をされた後の豹変レベル診断」では、
「そもそも、私は、交際相手から別れを切り出された時に、豹変する人なのか?」
「私の交際相手は、私から別れを切り出された時に、豹変する人なのか?」
このようなカップルにおける不安を事前にチェックすることができるようになっています。
興味のある方は、是非、お試しください。
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