4.大人の女性は、恋愛において、思い通りに愛されなくなった場合には、自身のプライドを守るために責任転嫁したくなる
ここは、Fantasy学部 教室
■連載記事の目次
1.恋愛において女性にとって不可欠なものは、愛し合うという形ではなく、愛されたい気持ち、愛される実質、愛されている現実
2.女性にとって、思い通りに愛し合えていることは、生きるための活力(精神的支柱、拠り所)となる
3.大人の女性は、恋愛において、愛していた男性のことを愛することができなくなってくると、その不足を「現実逃避」によって補うようになる
4.大人の女性は、恋愛において、思い通りに愛されなくなった場合には、自身のプライドを守るために責任転嫁したくなる
5.大人の女性は、「愛されなくなった男性から再び愛されたい」という秘めた想いを持ち続けていると、受け取る愛の不足を「自己愛」によって補うようになる
6.望みの男性から愛されない状態が続くと、やがて、心の支えは現実逃避と自己愛のみとなる
7.愛し合うことをあきらめてしまうと、生きるための活力を他人への攻撃(嫌がらせや妬み、いじめ、言葉の暴力)に見出してしまう
今回は「愛されることの不可欠性」の第4回目になります。今回の記事では、「大人の女性は、恋愛において、思い通りに愛されなくなった場合には、自身のプライドを守るために責任転嫁したくなる」というテーマについて、記述していきたいと思います。
前回の記事では、貴女が望みの男性だったTさんを愛せなくなってしまったことによる現実逃避による補完のメカニズムと、こうした補完は、Tさんから思い通りに愛されている限りにおいては、貴女にとって健全な生きる活力になることを説明しました。
これに対し、貴女がTさんから思い通りに愛されなくなった場合には、この愛され不足によって失われた自身の生きる活力を貴女が補完する際に、後に詳述するように、無意識的に自身を損なってしまうリスクを伴います。
このリスクは、貴女がTさんから思い通りに愛されている限り、生じないものです。
よって、大人の女性にとって、「思い通りに愛される」ということは、こうしたリスクなしで自身の生きる活力を保てる点で、不可欠なものであるということができます。このことを、図(D)と(E)を参照しつつ、以下に説明していきたいと思います。
第2回の記事の図(A)では、貴女が望みの男性Tと愛し合っていることにより、貴女の心の中のシーソーが良好なバランス状態になっている様子を示しました。
このシーソーは、貴女がTさんから思い通りに愛されなくなってくると、図(D)に示すように、「愛される」を要素とする板部分が短くなって「愛する」側に傾いてしまいます。
これにより、シーソーの板上で安定していた生きるための基礎活動(睡眠、食事、仕事、家事、子育て、勉強など)は、そのいくつかが板から転げ落ちてしまい、板上に載っている活動もシーソーの傾きに従ってぐらついた状態となります。
これは、「貴女が、恋愛において、愛し愛されるというバランスを失すると、それに追随して、貴女の生きるための基礎活動の遂行状態も不安定になってしまう」ということを意味します。
この図(D)のような不安定な状態では、生きるための基礎活動において従前のようなパフォーマンスを発揮できず、この状態が続いてしまうと、生活に支障も生じ得ます。このため、貴女は、自身のシーソーの傾きを元のバランス状態に戻そうとします。
図(D)のように傾いてしまったシーソーを元のバランス状態に戻すためには、思い通りに愛されなくなったTさんから再び思い通りに愛されるように貴女自身が変化すればよいのですが、・・・
大人の女性の場合、この変化を的を得た形で行うことができないことがとても多く、この傾向は歳を取るほど顕著になります。
大人の女性がこうした変化をうまくできないのは、どうしても「自身のプライドを守る意識の高さ」が邪魔をしてしまうからであり、よくある理由として、次のようなものを挙げることができます。
●「思い通りに愛されなくなっているなぁ」と不満に思っていても、「思い通りに愛されなくなっている」ということを受け入れて事実として認めたくない。「きっと、Tさんは、仕事で疲れているからだろう」等のように責任転嫁して片づけ、「仕事が落ち着けば元に戻るだろう」という希望的観測を抱くようにする。
●思い通りに愛されなくなった理由を、例えば、「それは、私の加齢に伴うものだから、やむを得ないこと。男性は、若い女性の体に興味がいってしまうもの。それは、男の性だから仕方ない。」のように、自分のせいじゃなく、愛してくれない男性のせいに責任転嫁して、オチをつける。
つまり、大人の女性の場合には、パートナーであるTさんによほど惚れていない限り、「Tさんが愛してくれなくなった原因の全てを自分から取り除くために、腹を割って、Tさんから打ち明けてもらう」という自発的なプロセスを採ることが難しいのです。
「何かの状態を改善するためには、まずは、その状態を悪くしている原因を全て洗い出すことが出発点である」
このことは、仕事をしている女性であれば、職場では当たり前にしていることであり、むしろ、こうした原因の洗い出しの力は、女性は鋭い観察力を備えるが故に男性よりも勝っているものです。
しかし、自分のこと(状態改善)になると、相手の男性から愛されない原因となった欠点や難点を知らされることにより自分が傷つくのを恐れて、原因の洗い出しを自らしようとせず、ついつい現実から目を背けて責任転嫁してしまうのです。
よって、一度、愛されなくなったTさんから再び愛してもらうようになることは、大人の女性の場合には、パートナーであるTさんによほど惚れている場合を除き、他力本願になってしまうため、いつ実現するかは「神のみぞ知る」という感じになってしまいます。
他方、大人の女性においては、「Tさんから愛されなくなった分、他の男性から愛される」というような恋愛の代替的な補完は、既婚の場合はもとより、独身の場合であっても、Tさんのことを愛しているという感情が残っている限り、積極的にしようとは思いません。大人の女性にとって、いわゆる「身代わりの愛」は、虚しさしか残らないものだからです。
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タグ:プライド, 愛されたい~愛されること, 愛されない, 責任転嫁(女性)