3.大人の女性は、恋愛において、愛していた男性のことを愛することができなくなってくると、その不足を「現実逃避」によって補うようになる
ここは、Fantasy学部 教室
■連載記事の目次
1.恋愛において女性にとって不可欠なものは、愛し合うという形ではなく、愛されたい気持ち、愛される実質、愛されている現実
2.女性にとって、思い通りに愛し合えていることは、生きるための活力(精神的支柱、拠り所)となる
3.大人の女性は、恋愛において、愛していた男性のことを愛することができなくなってくると、その不足を「現実逃避」によって補うようになる
4.大人の女性は、恋愛において、思い通りに愛されなくなった場合には、自身のプライドを守るために責任転嫁したくなる
5.大人の女性は、「愛されなくなった男性から再び愛されたい」という秘めた想いを持ち続けていると、受け取る愛の不足を「自己愛」によって補うようになる
6.望みの男性から愛されない状態が続くと、やがて、心の支えは現実逃避と自己愛のみとなる
7.愛し合うことをあきらめてしまうと、生きるための活力を他人への攻撃(嫌がらせや妬み、いじめ、言葉の暴力)に見出してしまう
今回は「愛されることの不可欠性」の第3回目になります。今回の記事では、「大人の女性は、恋愛において、愛していた男性のことを愛することができなくなってくると、その不足を現実逃避によって補うようになる」というテーマについて、記述していきたいと思います。
第2回の記事の図(A)では、貴女が望みの男性Tと愛し合っていることにより、貴女の心の中のシーソーが良好なバランス状態になっている様子を示しました。
このシーソーは、貴女がTさんのことを愛することができなくなってくると、以下の図(B)に示すように、「愛する」を要素とする板部分が短くなって「愛される」側に傾いてしまいます。
これにより、シーソーの板上で安定していた生きるための基礎活動(睡眠、食事、仕事、家事、子育て、勉強など)は、そのいくつかが板から転げ落ちてしまい、板上に載っている活動もシーソーの傾きに従ってぐらついた状態となります。
これは、「貴女が、恋愛において、愛し愛されるというバランスを失すると、それに追随して、貴女の生きるための基礎活動の遂行状態も不安定になってしまう」ということを意味します。
この図(B)のような不安定な状態では、生きるための基礎活動において従前のようなパフォーマンスを発揮できず、この状態が続いてしまうと、生活に支障も生じ得ます。このため、貴女は、自身のシーソーの傾きを元のバランス状態に戻そうとします。
しかし、一度、愛せなくなったTさんのことを再び愛せるようになるためには、大人の女性の場合には、相当の時間の経過が必要になり、実際には相当の時間をかけても再び愛せるようにならずに修復不能になってしまうことも多いものです。
他方、大人の女性においては、「Tさんのことを愛せなくなった分、他の男性を愛する」のような恋愛の代替的な補完は、既婚の場合はもとより、独身の場合であっても、即座にできることではありません。大人の女性にとって、「異性を好きになる」ということは、簡単なことではないからです。
この場合によく行われがちなのが、図(C)に示すような「現実逃避」による補完です。即ち、Tさんを愛せなくなった不足分を、Tさんを含む現実の男性との恋愛で補うのではなく、それ以外の“何か”を愛するという現実逃避によって補うことにより、シーソーのバランス状態を復活させるのです。
この愛する対象としての“何か”の一例としては、趣味、酒、自分の子供、アイドル等の芸能人などを挙げることができます。
●週末の仲間との山登りを楽しみにして、それまでの仕事を頑張る。
●旦那が寝静まった後の一杯を楽しみにして、日々の家事(姑対応を含む)を頑張る。
●子供を異常なまでに溺愛し、子供のために全てを犠牲にして頑張る。
●ファンの芸能人のコンサートを楽しみにして、それまでは孤軍奮闘して子育てを頑張る。
なお、図(C)では、貴女がTさんを愛する気持ちは失せてきたものの、Tさんから貴女への想いは変わっておらず、「Tさんから思い通りに愛されている状態」が維持されています。
大人の女性の場合、この「Tさんから思い通りに愛されている状態」が維持されている限りにおいては、Tさん以外の男性を好きになろうというモチベーションは湧きにくく、たとえTさんを愛する気持ちがゼロになり全て現実逃避に置換されたとしても、生きる活力を高レベルに維持することができるものです。
つまり、大人の女性の場合には、愛していた男性を愛せない状態になっても、その男性から愛されている限り、日々の活動に対するモチベーションや生きる活力を維持する術(=現実逃避)を持っているのです。
よって、この現実逃避による補完は、「愛されるべき男性から思い通りに愛されている女性」にとっては、他の男性の存在に依存しない点で、とても自律的で健全な補完方法であると言うことができます。
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タグ:愛されたい~愛されること, 現実逃避