人間関係環境(職場、家庭、知人、SNS友達、プライベートな恋人、親友、友人)への所属や離脱と内心との関係
ここは、Fantasy学部 教室
人は、パブリックやプライベートの人間関係環境(ex.職場、家庭、恋人、親友、友人、知人、SNS等のバーチャルな友達)について、
「メリットがある、人間味があり楽しい、ありのままの自分でリラックスできストレスがない、共感できる、必要とされ自己承認欲求や自己肯定感が満たされる、心のリフレッシュができる、活力になる」と思った場合には、その人間関係環境に所属しようとし、
「メリットよりもデメリットが勝る、つまらない、報われない、自分らしさを出せずストレスになる、必要とされておらず寂しい気持ちや孤独感、存在感が満たされない、対応がめんどくさい、反感を抱く、心が疲れた、リセットしたい」と思った場合には、その人間関係環境から離脱しようとします。
このような人間関係環境に所属しようとする行為や離脱しようとする行為は、その行為をする人の意思(内心)に基づいてなされます。
そこで、人間関係環境への所属や離脱という行為と内心との関係を、下図のフローチャートにまとめてみました。
1.最初の判断ポイントは「自己実現できる居心地の良い人間関係環境であるか?」
人がプライベートの人間関係環境(ex.恋人、親友、友人)やパブリックの人間関係環境(ex.職場、家庭、知人、SNS友達)に所属するかしないかは、一次的には、「自分の思い通りになる環境か?(ステップS1)」という自己本位な判断基準によって決定されます。
人は、自己実現性の高い環境や自分の存在を認めてくれる居心地の良い環境であれば所属したいと思う一方、そうでない環境であれば所属したくないと思うものだかからです。
このステップS1において、自分の思い通りになる環境であると判断した場合には、続いて、「その環境に属する他人にとっても思い通りになる環境か?(ステップS2)」ということを判断します。
人は、「自分は思い通りになっていても、相手が思い通りになってないのでは、環境全体としての調和を損なってしまう」ということを、少なからず気にかけるものだからです。
このステップS2において、他人にとっても思い通りになる環境であると判断した場合には利害一致モードで(ステップS3)、そうでないと判断した場合には自己中モードで(ステップS4)、その環境に所属します。
その後は、こうしたステップS2~S4の判断が、その環境から離脱(ステップS8)するまでの間、日々、繰り返されます。
利害一致モードとは、自分も他人も自己実現可能なバランスの良いモードです。
例えば、「自分:優しくしたい、他人:優しくしてほしい」、「自分:噂話を聞きたい、相手:噂話をしたい」、「自分:20万円分の仕事を頼みたい、他人:20万円の売上が欲しい」という ような、お互いが望んでいることをお互いに必要としている関係が、これに該当します。
自己中モードとは、「自分さえ自己実現できれば、他人は自己実現できなくても、構わない」という自己の利益を偏重するアンバランスなモードです。
例えば、上述の利害一致モードで挙げた例で言えば、貴女が上例での”自分”の立場だったとした場合に、相手が実際に「優しくしてくれない、噂話をしても聞いてくれない、20万円分の仕事を頼んでくれない」という ような関係が、これに該当します。
この関係では、相手は、貴女に対し、見込み違いや期待外れ、言行不一致(嘘つき)等の評価をしていることになります。
自己中モードで環境に所属する危険性
上図のステップS2の「その環境に属する他人にとっても思い通りになる環境か?」という判断は、他人の言動、態度、行動から他人の内心を類推することによって行う必要があるため、どうしても、類推が的確ではなかった(=他人の内心についての見込み違い)という事態が生じ易くなります。
例えば、「自分は、相手からの“この環境で自己実現できている”という言葉を信じて利害一致モードで環境に所属していると思っていたら、実際には、他人は、思い通りにならない環境であると思っていたようで、自己中モードで環境に所属していた。」、「他人が思い通りにならないと思ったのは、その環境下で自分が思い通りにし過ぎてしまったことが原因だった。」という事態です。
そもそも、自分の思い通りになる環境にいる人は、その環境下において、無意識のうちに王様気分になり易く、強い自己主張、わがままで横柄な態度、優越感に満ちた上から目線な態度をしてしまいがちです。
こうした自己主張や態度は、その人が自分の思い通りにしようという意欲が強まるほどに、醜いものになります。このような環境であれば、他人は、自己実現をすることができないので、当然に「居たくない」と思いますよね。
例えば、貴女が自分の思い通りになる(居たい)と思って所属している人間関係環境が、恋人や親友、友人等の「他人に対応する義務」で縛られていない環境である場合には、貴女の「自分の思い通りにしよう」という意欲が強まるほどに、その環境下にいる他人から切り捨て去られる危険性が高くなります。
一方、貴女が自分の思い通りになる(居たい)と思って所属している人間関係環境が、職場や家庭等の「他人に対応する義務」で縛られた環境である場合には、貴女は、「その環境下で貴女への対応義務を果たしている他人が精神的に疲れていること」に気づきにくくなります。
なぜなら、他人は、貴女から「本心では居たくないと思っている」と覚られることがないように(=表面的には貴女から良く思われるように)、自身の内心に蓋をした表面的な振舞いをするからです。
加えて、貴女は、王様気分になっていることから、「私にとって居心地の良い環境は、きっと、他人にとっても快適であろう。他人が、この環境に居たくないと思うはずが無い。」のような自分本位な思い込みが働きやすいからです。
こうした他人の精神的な疲れに気づかないまま放置すれば、環境から離脱されることを全く予期していなかった他人から、突然に且つ非情に切り捨て去られる(=環境から離脱される)危険性が高くなります。
こうした現象は、例えば、「重要な存在である社員から、突然に退職願が出された場合」、「家庭的だった夫から、突然に離婚を突き付けられた場合」など、身近な社会生活において非常によく見られます。
人間関係環境に自己中モードで所属し続けることは、貴女としても、環境に不満を募らせている相手と時間や行動を共にする点で決して気持ちが良いことではなく、もし、そのまま放置すれば、相手が環境から離脱してしまう可能性もあります。
よって、思い通りの人間関係環境を構築して維持するためには、他人の内心を的確に察する力が必要不可欠になるのです。
2.二次的,妥協的な判断ポイントは、「その環境と自分とが相互に必要とし合っているか?」
説明が長くなりましたので、フロー図を再掲載致します。
図のステップS3において、その人間関係環境(ex.職場、家庭、恋人、親友、友人、知人、SNS等のバーチャルな友達)が自分の思い通りにならない環境であると判断した場合には、通常は、「思い通りにならないなら、その環境には所属しない」という短絡的な結論を出す前に、「自分はその環境を必要としているか?(ステップS5)」、即ち「その環境の自分にとっての必要性」を判断します。
人は、たとえ思い通りにならない環境であっても、その環境に所属することによって精神的や経済的な利益を受け得る場合には、この利幅(=利益によるプラスポイントから自己実現できないことによるマイナスポイントを差し引いた値)が大きいなら「その環境に所属しよう」と思うものだからです。
このステップS5において、自分はその環境を必要としていると判断した場合には、続いて、「その環境は自分を必要としているか?(ステップS6)」、即ち「その環境にとっての自分の必要性」を判断します。
人は、いくら自分が所属を必要としていても、自分の存在が必要とされていない(=自分が所属する許容性の無い)環境には、居座り続けることができないものだからです。
ステップS5,S6において、その環境と自分とが相互に必要とし合っていないと判断した場合には、その環境から離脱します(ステップS8)。
一方、その環境と自分とが相互に必要とし合っていると判断した場合(ステップS5→Yes、ステップS6→Yes)には、妥協モードでその環境に所属し続けます(ステップS7)。
その後は、既述したステップS2~S4の判断及びステップS5~S6の判断が、その環境から離脱(ステップS8)するまでの間、日々、繰り返されます。
妥協モードとは、「自己実現は十分にできない環境だけど、環境に所属する利益があるから、自分を抑えて、この環境に居続けよう」という自己実現欲求と得られる利益とのバランスを考慮したモードです。
人が所属する人間関係環境(「他人に対応する義務」で縛られているorいないを問わない)のほとんどは、この妥協モードからスタートします。
但し、スタートする際及びスタート後におけるステップS5,S6の判断基準の具体的内容は、職場や家庭、知人、SNS友達等の「他人に対応する義務」で縛られたパブリックの人間関係環境である場合と、恋人や親友、友人等の「他人に対応する義務」で縛られていないプライベートな人間関係環境である場合とでは、全く異なります。
これは、その環境に所属することによって受け得る利益の性質の相違(前者の場合には経済的な利益、後者の場合には精神的な利益)に起因しています。こうした相違について、以下に説明していきます。
(1)「他人に対応する義務で縛られていない、精神的な利益で繋がる環境」の場合の判断基準
恋人や親友、友人等の「他人に対応する義務で縛られていない、精神的な利益で繋がるプライベートな人間関係環境」の場合において、この“環境”とは、その環境に所属する個々の他人を意味します。
例えば、貴女が所属しようとしている又は所属している環境が“友人”の場合には女友達の1人1人、“恋人”の場合には彼氏、“精神面で繋がっている夫婦”の場合には旦那となります。
こうした恋人や親友、友人等のプライベートな環境に所属するに際し、人は、お互いに思い通りになるような環境が構築されること(ステップS3:利害一致モード)を目指し、日々の関りによって、少しずつ、環境に属する人同士が、お互いに内心を察し合え、わかり合える関係を作っていくものです。
よって、この環境(=この環境に所属する他人)が貴女にとって自分の思い通りにならないものである場合には、この環境に属して他人に対応しても貴女自身が精神的に疲れてしまうので、一次的には、「この環境には居たくない」と素直に考えてしまうと思います。
この環境は、「他人に対応する義務」で縛られていないものであるため、貴女は、誰にも遠慮せずに即刻、この環境を捨て去ることも可能なものですし。
従って、ステップS5の「その環境の自分にとっての必要性」の判断において、「自分は思い通りにならなくてもいいから、その環境(ex.恋人関係)に所属したい」と思う(ステップS5→Yes)ためには、貴女が、その環境に属する他人(ex.彼氏候補の男性)に対し、次の(a)及び(b)の双方を抱くことが必要になります。
(a)「この人とは、お互いに心でわかり合いたい」という強い願望
(b)「この人なら、付き合っていけば、お互いに心でわかり合うことができるだろう(=自分の思い通りになる環境に変わっていく)」という可能性
例えば、
貴女は彼氏候補の男性に対し「特別に優しくしてほしい」と思っているけれども、この男性は貴女に対し「特別に優しくしたい」とは思っていない(=自分の思い通りにならない)。
しかし、貴女はこの男性に対し「一緒にいると話が合うから楽しくて、元気をもらえる」と思っている。
相手の男性も貴女を拒絶する素振りを見せない。
このような状況である場合には、貴女は、上記(a)及び(b)の双方を積極的に抱き、「恋人として付き合いたい」、即ち、この男性との環境に属したいという気持ちになることでしょう。
一方、(a)及び(b)を抱けない彼氏候補の男性に対しては、「自分を抑えてまで付き合いたいと思うほどの人間的な魅力を感じない。仮に無理して付き合ったとしても、長続きしないだろう。」と判断して、「恋人として付き合うのは無理かも…」とお断りして、その環境から離脱するのです(ステップS5→No、ステップS8)。
即ち、恋人や親友、友人のような「他人に対応する義務で縛られていない、精神的な利益で繋がるプライベートな環境」の場合には、その環境に属する他人(ex.彼氏候補の男性)が貴女に与えてくれる精神的な利益が、貴女にとってよほど価値の高いものでない限り、妥協モードでの付き合いすら、始まらないのです。
ステップS5の「その環境の自分にとっての必要性」の判断において、「自分は思い通りにならなくてもいいから、その環境(ex.恋人関係)に所属したい」と思った場合(ステップS5→Yes)には、続いて、貴女は、その環境に属する他人(ex.彼氏候補の男性)は自分のことを必要としているか?(ステップS6)」という「その環境にとっての自分の必要性」の判断をすることになります。
前述の例で言えば、貴女はこの男性に対し「一緒にいると話が合うから楽しくて、元気をもらえる」と思っていたところ、相手の男性も貴女に対し貴女と同じ思いを抱いていた場合には、貴女は、お互いの存在をお互いに必要としていると判断して、「恋人として付き合う」、即ち、この男性との環境に属すると決断して、妥協モードでの付き合いをスタートさせることでしょう(ステップS6→Yes、ステップS7)。
ところで、このステップS6の判断は、他人(ex.彼氏候補の男性)の言動、態度、行動から他人の内心を類推することによって行う必要があるため、どうしても、類推が的確ではなかった(=他人の内心についての見込み違い)という事態が生じ易くなります。
また、こうした類推は、ステップS5の判断において「その環境(ex.彼氏候補の男性との恋人関係)の自分にとっての必要性」を強く感じるほど甘くなる傾向があります。
このため、女性の場合には、その環境に属する(=彼氏候補の男性と恋人関係になる)ことになった後に、「しまった。あの時、もっと冷静かつ客観的に、相手の男性の内心の類推をすべきだった。」と後悔してしまうことが往々にしてあります。
前述の「私に優しくはしてくれないけれども、お互いに“一緒にいると話が合うから楽しくて元気をもらえる”と思っていたので、妥協モードでの付き合いをスタートさせた」という例で言えば、スタート後に、
●相手の男性がセックスした後にフェードアウトしてしまい、実は体目的(ヤリ目)であったことがわかった。
●付き合った後も、相手の男性が、恋人のように優しくしてくれず、セックスはするけどデートのお金はほぼ私が負担していて、実質的にセフレや援助交際のような私の望まない関係を望んでいることがわかった。
●こんなに目的がズレていたら、何年付き合っても、私の思い通りの環境(相手の男性が恋人のように優しくしてくれる)にはならないことに気付いた。
というような事態です。
【ポイント】「その環境にとっての自分の必要性」についての的確な判断力が、その環境における自分の居心地の快適性を左右する
恋人や親友、友人のような「他人に対応する義務で縛られていない、精神的な利益で繋がるプライベートな環境」に妥協モードで所属しようとする場合において、最も重要なステップは、「その環境にとっての自分の必要性」についての判断(ステップS6)になります。
このステップS6における貴女の判断の客観的な的確性が、その後の貴女の所属する環境が貴女にとって天国になるか(ステップS3:利害一致モードに昇格)地獄になるか(ステップS8:その環境に属する他人から「貴女は私にとって必要ない」と宣言され、意に反して環境から離脱)の分水嶺になるからです。
特に、近年の30歳以上の女性の場合には、こうした地獄行き(その環境に所属する他人から「貴女は私にとって必要ない」と宣言されてしまうこと)を恐れて、
●その他人に対して「こうして欲しい」と思っている内心を誤魔化して封印し、何とかその環境を継続させよう。
●所属している環境が、恋人であることを望んでいるが、実質的にはセフレや援助交際かもしれない。でも、そのことを認めたくないから、恋人だと思い込むようにしよう。
などという「自分誤魔化しの術」を自分自身にかけている方が少なからず存在しています。
そんな複雑かつ高度で体に悪そうな術を自分にかけるくらいなら、・・・
既述したように、思い通りの人間関係環境を構築して維持するためには、他人の内心を的確に察する力が必要不可欠になります。こうした力を身につけるための心のトレーニングをする方が、よほど簡単かつ健全であると私たちは思います。
(2)「他人に対応する義務で縛られている、経済的な利益で繋がる環境」の場合の判断基準
職場や家庭、知人、SNS友達等の「他人に対応する義務で縛られている、経済的な利益で繋がるパブリックな環境」の場合において、この“環境”とは、義務や利益を与える主体を意味します。
例えば、貴女が所属しようとしている又は所属している環境が“職場”の場合には会社や所属部門、上司、同僚のそれぞれとなり、“家庭”の場合には旦那や子供、親、兄弟姉妹などの家族の一人一人となり、“経済面で繋がっている夫婦”の場合には旦那となり、“何らかの儀礼や義務で繋がっている知人やSNS友達”の場合には知人やSNS友達の一人一人となります。
こうした職場や家庭、知人、SNS等のパブリックな環境に所属するに際し、人は、その環境下での義務の履行によって得られる経済的利益の利幅が マイナス値になる(=環境に所属することによって受ける経済的利益のプラスポイントよりも自己実現できないことによるマイナスポイントの方が大きくなる) という事態に陥らないように、「その環境にとっての自分の必要性(ステップS6)」を高めていくことになります。
こうした必要性を高めていく方法とし ては、例えば、職場であれば、良い営業成績を出す、事業に不可欠な能力を向上させる等、家庭における夫婦関係であれば、年収をアップさせる、なるべく外に お金が出ていかないように家事を切り盛りする、子育てに必要な労働力を提供する等を考えることができます。
従って、ステップS5の「その環境の自分にとっての必要性」の判断において、「自分は思い通りにならなくてもいいから、その環境(ex.職場)に所属したい」と思う(ステップS5→Yes)ためには、その環境が、貴女に対し、貴女が望む条件(額、期間、提供する労務の内容 ex.正社員、年収500万円、ルート営業、土日休み)の経済的利益を貴女が望む期間中与える約束をすれば足りることになります。
そして、貴女が望む条件の経済的利益が得られない場合には、その環境に所属する前の段階であれば、「この環境には居たくない」と素直に思って、この環境を自身の環境として選ばないという選択をすることができます(ステップS3~S8)。
即ち、「他人に対応する義務で縛られている、経済的な利益で繋がるパブリックな環境」の場合には、その環境が貴女に与えてくれる経済的な利益の内容によって、その環境との妥協モードでの付き合いが始まるか始まらないかが決まるのです。
但し、「他人に対応する義務で縛られている、経済的な利益で繋がるパブリックな環境」は、団体であるがゆえに、「自分は真面目に義務を履行しているにも拘わらず、環境自体の変化や消滅によって、約束していた経済的利益が得られなくなる」という特有のリスクがあります。
例えば、貴女が所属しようとしている又は所属している環境が“職場”の場合には会社の倒産、減給、パワハラ化等、“家庭”の場合には、旦那の会社の倒産や減給、浪費、病気、離婚宣告等を考えることができます。
【ポイント】その環境に属する前における「その環境の自分にとっての必要性」についての的確な判断力が、その環境における自分の居心地の快適性を左右する
職場や家庭、知人、SNS等の「他人に対応する義務で縛られている、経済的な利益で繋がるパブリックな環境」に妥協モードで所属しようとする場合において、最も重要なステップは、「その環境の自分にとっての必要性」についての判断(ステップS5)になります。
このステップS5における貴女の判断の客観的な的確性が、その後の貴女の所属する環境が貴女にとって天国(ステップS6:その環境にとっての自分の必要性を高めていく)になるか地獄(ステップS8:その環境から「約束を果たす力が無い」と宣言され、意に反して環境から離脱)になるかの分水嶺になるからです。
しかも、この「その環境の自分にとっての必要性」についての客観的かつ的確な判断は、その環境に所属する前に行われることが必要になります。なぜなら、その環境に一旦所属してしまった後においては、上述した特有のリスクを回避することは困難だからです。
また、貴女がその環境に属した後にこの環境に嫌悪感を感じてしまった場合であっても、貴女は、その環境下において他人への対応義務を果たしつつ経済的利益を得るために、その環境に居続けなければならなくなることがあります。
しかも、その環境に居続けるために、貴女は、その環境に属する他人から「本心では居たくないと思っている」と覚られないように(=表面的には他人から良く思われるように)、自身の内心に蓋をした表面的な振舞いをしなければなりません。
このような心理状態でこの環境に居続けた場合には、当然に、精神的な疲れが蓄積し、貴女が気づかないうちに表情もネガティブに変化してしまいます。
つまり、職場や家庭、知人、SNS友達のような「他人に対応する義務で縛られている、経済的な利益で繋がるパブリックな環境」において、思い通りの人間関係環境を構築して維持するためには、その環境に所属する前に、その環境に属している他人の内心を的確に察することを通じて、その環境の継続性や体力を推し量る力量が必要不可欠になるのです。
企業や家庭、グループも人なり、即ち、その中長期的な栄枯盛衰を左右するのは、まさに、その環境を構成する「人」ですので。
ステップS5の「その環境の自分にとっての必要性」の判断において、「自分は思い通りにならなくてもいいから、その環境に所属したい」と思った場合(ステップS5→Yes)には、続いて貴女は、「その環境(ex.職場や家庭、知人、SNS友達)は自分のことを必要としているか?(ステップS6)」という「その環境にとっての自分の必要性」の判断をすることになります。
パブリックな環境の場合、「その環境が貴女のことを必要としている」という判断に際しては、通常は、その環境が貴女を必要とする旨の意思表示をした書面(職場であれば雇用契約書、昇給通知書、家庭であれば結婚届等)に基づいて行えばよいので、貴女の判断に思い違いが生じる心配はありません。
他方、「その環境が貴女のことを必要としていない」という判断に際しては、職場からの解雇通知や家庭の夫からの離婚宣告のように、突然かつ一方的に、貴女の必要性に関して想定外の低い評価がなされる可能性があります。
こうしたネガティブな判断は、その理由を明確に提示しないままなされることが多いので、「いきなり、何で私だけが不利益に遭うの?何も悪いことしていないのに?」というように逆上してしまうこともあるでしょう。
しかし、そもそも、職場や家庭、知人、SNSのような義務や経済的な利益で繋がるパブリックな環境というものは、そういう性質のものであり、その環境において、「貴女の働きが対価に見合わない」という客観的な理由のみならず、「将来のために、貴女の存在が邪魔である」、「貴女のやり方は嫌いである」のような主観的な理由がある場合にも、容赦なくそのような低い評価がなされ得ます。
こうした低い評価を受けることをどうしても回避したいのであれば、その環境との間で、義務や経済的な利益だけでなく、既述した「精神的な利益(例えば、ゴマすり)」でも繋がるしかないでしょう。
ただ、女性の場合には、一般に、ある環境との繋がりは、“義務&経済的な利益”or“精神的な利益”の二者択一となりがちであり、双方の利益で図太く繋がるということが苦手です。
自身の家庭という環境に関し、「旦那とは精神的な利益でも繋がっている」と主張する女性のほとんどは、この主張を、旦那から経済的な利益を受けることを前提として行っていますし。
職場や家庭、知人、SNS友達等のパブリックな環境においては、
●貴女が所属する環境において、ステップS6における「その環境が貴女のことを必要としていない」との判断がいつかなされるかもしれない…ということを想定した上で、
●どのような環境からも「金を払ってでも、私の環境に属してほしい」と言われるような「人間性(心)、能力、行動力」の3つを身につけていくように日々努力していくこと
これが、現代の女性のクレバーな生き方ではないでしょうか。
→次の記事:「秘密主義(その1)その意味と性質-人間関係において、自分のことを知らせない、話さない|人間関係における人の行動と内心のメカニズム」
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